うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

絶望の未来の女性像『ブレードランナー2049』

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、ロビン・ライト、マッケンジー・デイヴィス、カーラ・ジュリ、レニー・ジェ…

この世で最も酸っぱくて苦いレモンからつくったレモネード

TBSラジオの菊地成孔の粋な夜電波、朝4時からの深夜帯(早朝帯?)に移動して一発目をradikoのタイムシフトで聴いて、いつも菊地さんの語りはいいのだけど、「追悼会」と銘打った今回の語りの迫力は尋常ではなかったので、冒頭のもすごくよかった…

別珍の赤いスカート

むかし、といっても7、8年前のことだと思うのだけど、ふと(多分なにか写真とか雑誌とかを見て)真っ赤なスカートが欲しい! こう、ウエストがきゅっとしてふわっとした、昔っぽいやつ! と思ったことがあって、そう思うといてもたってもいられなくなって…

日帰り出張の車窓から

交通網の発達というのは素晴らしいもので、もう、日本中大抵どこでも出張は日帰りだ。関西からだと、東北や九州、北海道の一部は難しいけれど、あ、あと意外に愛媛とかも大変だけど、新幹線の駅があったり空港があるまちなら楽勝だし、公共交通機関が通じて…

5年後に見返したい、温かく退屈な映画『パターソン』

監督:ジム・ジャームッシュ 、製作:ジョシュア・アストラカン カーター・ローガン、製作総指揮:オリバー・ジーモン ダニエル・バウアーキャスト:アダム・ドライバー、ゴルシフテ・ファラハニ、バリー・シャバカ・ヘンリー、クリフ・スミス、チャステン・…

夕日が沈む海岸 — 9月の旅(6)

バリ島最後の一泊は、クタビーチへ。 見渡す限り延々と砂浜が続いて、本当に美しい。 夏の延長戦ということで、春先に買ったビキニを着て、ビールを飲んで、海の向こうに沈む名物のサンセットを眺めた。 朝は浜辺をジョギングした。砂がとても細かい砂浜は、…

伝統芸能3夜 — 9月の旅(5)

しつこく続くバリ島旅行記。 3夜にわたって見た伝統芸能の記録をちょっとだけ。 農業や商業に携わりながら、楽器を奏で、踊り、絵を描き、モノを作る。そんな暮らしが当たり前だというウブドでは、毎夜各所でさまざまな公演が行われている。中でも有名なの…

4つの美術館 — 9月の旅(4)

一緒に行った友人が美術系のご職業、ということもあり、ウブドでは4つの美術館に行った。一気に見過ぎたのと、バリの絵画は情報量が多いのとで、頭が混乱して整理できていないけれど、これから機会をつくってゆっくりバリ美術の復習をしてきたいな。 日本の…

動物たち — 9月の旅(3)

旅の間、基本的に毎朝ジョギングしていた。 とにかく朝の風景が清新で本当に素晴らしかった。まずはコテージを出る手前の朝の道がこちら。ちょうど朝日の方向に入口があるので、プルメリアが散り敷くまっさらの道を、光に向かってスタートできるのが最高に気…

捧げ物のある風景 9月の旅(2)

世界最大のイスラム人口国、インドネシアにあって、ここバリ島は住民の大半がヒンドゥー。土着宗教と融合して「バリ・ヒンドゥー」として独自の形式に発展を遂げているのだという。 まちを歩いてすぐに目につくのが、カラフルなお供え物だ。 地域習俗に詳し…

ウブドの朝 — 9月の旅(1)

この夏は家族で山に登った以外は夏らしいことがあまりできなかったのだけれど、9月に夏の延長戦があった。酷暑を忘れたかのように涼風に包まれ始めた日本を後にしたのは9月5日。 超久々の海外旅行。更新したばかりのピカピカのパスポートを携えて「ほんま…

ルーティーンをやめること、あるいは名古屋ウィメンズマラソンへの愛を込めたさようなら。

マラソン大会にエントリーするようになって8年ぐらい経つ。 ランニングに対する熱は上がったり下がったりしながらも、コンスタントに大会には出場していて、ここ3〜4年は、秋のフルマラソン(神戸マラソンか大阪マラソン)でシーズンの幕を開け、1月に10…

観劇記『プレイヤー』〜演出家・長塚圭史の退屈と興奮

森ノ宮ピロティホール作・前田知大 演出・長塚圭史 キャスト・藤原竜也、仲村トオル、成海璃子、シルビア・グラブ、峯村リエ、高橋務、安井順平、村田絵梨、長井短、大鶴佐助、本折最強さとし、櫻井章喜、木場勝己、真飛聖舞台はある地方都市の公共劇場、そ…

『海辺の生と死』(2)〜生気あふれる女と自意識過剰男の恋

前記事『海辺の生と死』(1)映画の枠を主演女優が一人で超えた奇跡の映画 から続く この映画を「恋愛映画」として見たときの大きな欠点が「ヒロインが恋する男に魅力がない」ということだろう。 演じた永山絢斗が悪いわけではなく、脚本と演出に難があるの…

『海辺の生と死』(1)〜映画の枠を主演女優が一人で超えた奇跡の映画

監督・脚本 越川道夫、 原作 島尾ミホ、島尾敏雄、脚本監修 梯久美子出演 満島ひかり、永山絢斗、井之脇海、秦瀬生良、蘇喜世司2017年日本155分 満島ひかり&永山絢斗共演『海辺の生と死』予告編 ダメな映画だけど、主演俳優の演技がほめるところしかない、…

せわしない日々の映画へ(1)〜『SHIDAMYOJIN』

なんかもう、夏だというのに、1本いくらの賃労働に身をやつしながら、締切をなんとかやり過ごすだけで精一杯で、ほんまに貧乏暇なしとはよく言ったものです。頭かきむしりながらパソコンに向かって目をしょぼしょぼにしているか、呆けた顔でネットを見てい…

豪華絢爛な異次元ムービー『ツィゴイネルワイゼン』

監督:鈴木清順 出演:原田芳雄、大谷直子、藤田敏八、大楠道代、真喜志きさ子、麿赤児、樹木希林 脚本:田中陽造 1980年日本、144分 www.youtube.com 元町映画館「追悼 鈴木清順監督 浪漫三部作」にて。めちゃめちゃ面白かったわ!絢爛たる清順美学! ……の…

『未来よ こんにちは L'avenir』—狭まる未来のクローゼットに何を入れるか。

[脚本・監督:ミア・ハンセン=ラブ 出演:イザベル・ユペール、アンドレ・マルコン、ロマン・コリンカ、エディット・スコブ]とても、よかった。ヒロインは50代後半の高校教師、ナタリー。同じく教師の夫と、娘、息子とともにパリに暮らしている。近所には…

まちに埋め込まれた写真たち [KYOTOGRAPHIE 2017]

写真展を見ることに対して苦手意識がある。一応広告界隈で仕事してるし、広告表現には写真が欠かせないので、何かを説明するための写真、イメージアップのための写真、消費意欲を湧かせるための写真、という目的のある写真にはなじみがあるのだけど、表現と…

ファッションをアートに変える信念と執念『メットガラ ドレスをまとった美術館』

[監督アンドリュー・ロッシ 出演:アナ・ウィンター、ウォン・カーウァイ、アンドリュー・ボルトン ほかセレブ多数 2016年アメリカ 91分] フラッシュの閃光とシャッター音の洪水のなか、豪華なドレスをまとってレッドカーペットに続々と登場するセレブたち…

2007年から遠く離れて

2007年はカラオケの年だった。 歌い、踊り、囃し、激しくタンバリンを叩きすぎたせいで手のひらにタコを作りながら、わたしは新曲をせっせと仕入れ、聴き、覚え、そして歌った。2007年、ひとり娘は2歳だった。育休明けの業務再開から1年以上が経ち、仕事も…

クズ男への怒りと、凡庸な女の寂寥『百円の恋』

[監督:武正晴、脚本:足立紳 出演:安藤サクラ 新井浩文、稲川実代子、早織、宇野祥平、坂田聡、沖田裕樹、吉村界人、松浦慎一郎、伊藤洋三郎、重松収、根岸季衣 2014年日本]アマゾンプライムで空き時間にちまちまとぶつ切れで『百円の恋』を見た。安藤サ…

法と現実が交差するジャンクション — 初めての裁判傍聴記

裁判所にまつわる原稿を1本書かないといけないことになり、先日初めて裁判を傍聴した。1件目は覚せい剤取締法違反で、2件目は常習累犯窃盗であった。4人座ればいっぱいになるベンチ式腰掛けが6脚。司法修習生なのか学生なのか、スーツを堅苦しく着た若…

『お嬢さん』の点対称、線対称、非対称

わたしの身近にいる人の中で格段に妖艶でエロ戦闘力の高い美女が、「よだれが垂れるほどエロかった」「侍女がほしい。侍女が……侍女……」などというものですから、ぜひにも観に行かねばいけないと思っていた韓国映画『お嬢さん』。 なんだかんだで観に行くきっ…

I love you , but I am not belong to you.

アマゾンプライムで『ティファニーで朝食を』を再見した。 ティファニーで朝食を (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 4年前にこんな感想を書いていたのだけど、まあ印象はあまり変わらない。というか、以前よ…

recovering myself

この間、生まれて初めて老眼鏡というものをつくった。 ずっと視力だけはよかったので、メガネ屋さんでちゃんとメガネをつくるというのも初体験。フレームを選ぶときにずいぶん迷ったのだけど、対応してくれた感じのいいスタッフが根気よくつきあってくれて、…

才能のキラキラに照らされる

この2月、兵庫県立美術館で、特別展「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」を見た。 いわゆるアール・ブリュットの第一人者だそうだが、無学な私は知らなかった。企画・監修は甲南大学文学部の服部正准教授。巡回はこのあと名古屋市立美術館、東京ステ…

絶望の先の希望 窪美澄『晴天の迷いクジラ』

最近、続けて窪美澄を読んだ。どれもいいです。これはデビュー2作目なのかな? 晴天の迷いクジラ (新潮文庫) 作者: 窪美澄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/06/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 「機能不全家族で育った」という…

映画とかDVDとか腹筋とか

最近観たりしたもの。 ●『マッドマックス 怒りのデスロード』ブラック&クロームエディションを観た。 相変わらずフュリオサ最高やったし、モノクロバージョンの格調の高さやばかった。カラーで公開したものをモノクロで公開し直すってかなり変わってるよね?…

宝塚歌劇という豪華絢爛な女子会

生まれて始めて宝塚大劇場に宝塚歌劇を観に行った。最高やった。宝塚のなんたるかが全く分からないので、演目選ぶのもチケットとるのもすべて一緒に行ったおともだちにおまかせ。で、観たのは月組の「グランドホテル/カルーセル輪舞曲」で、新トップスター…