うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

I love you , but I am not belong to you.

アマゾンプライムで『ティファニーで朝食を』を再見した。 ティファニーで朝食を (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 4年前にこんな感想を書いていたのだけど、まあ印象はあまり変わらない。というか、以前よ…

絶望の先の希望 窪美澄『晴天の迷いクジラ』

最近、続けて窪美澄を読んだ。どれもいいです。これはデビュー2作目なのかな? 晴天の迷いクジラ (新潮文庫) 作者: 窪美澄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/06/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 「機能不全家族で育った」という…

グロテスクで愛おしい郊外小説『ふがいない僕は空を見た』

以前「GingerL」でたまたま読んだ短編『水曜の夜のサバラン』が大変面白くて、ずっと気になっていたのに読んでいなかった窪美澄さん。初めて単行本を読む。いやー大変面白かったですね。 視点人物を変えて綴られる5編の連作小説。私は相互に関連のない短編…

10月に思ったりしたこと

視覚を間接的に得る 障害者スポーツを体験できるイベント「ノーマライゼーションスポーツ大会」に娘と一緒に参加した。アイマスクをつけて鈴の入ったサッカーボールでシュートしたり、レース用の車いすで100mを駆けたり、いずれも楽しい体験だったが、出色…

対話するうた「連句」

『連句茶話』を読んだ。神戸在住の詩人・鈴木漠さんの連句論だ。 連句茶話 作者: 鈴木漠 出版社/メーカー: 編集工房ノア 発売日: 2016/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 季節を折り込んだ五七五の発句に続けて、七七(短句)、五七五(長句)…

うんこまみれで生きる 伊藤比呂美『犬心』

伊藤比呂美の文章はなんでこんなに心を揺さぶるのでしょうか。在米の詩人である著者が、熊本に暮らす老親の介護と看取り、それに重なる老犬の介護と看取りに奔走する1年あまりの日々を描いたこの本ももちろん例外ではない。本に登場する犬たちは、それぞれ…

無人島に持って行きたい一冊 姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』

リアル・シンデレラ (光文社文庫) 作者: 姫野カオルコ 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2012/06/12 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (5件) を見る 久々に読んだ姫野カオルコ、むちゃくちゃよい。私が姫野カオルコを読んでたのって、いつ…

個人の思いと歴史をつなぐフィールドワーク  小倉美惠子『オオカミの護符』

オオカミの護符 (新潮文庫) 作者: 小倉美惠子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/11/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る なんとも不思議な読み心地。取材に基づいた社会学的な部分と、きわめて個人的な感情が露出した伝記的な部分が(おそら…

高みをめざして地べたを這う壮絶な人生模様  『或る「小倉日記」伝』

或る「小倉日記」伝 (角川文庫) 作者: 松本清張 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2013/08/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る Kindleに入っていたものを再読して、うーんと唸った。松本清張の、本当に素晴らしい初期の短編集。…

生きることへの誠実なエール  梨木香歩『裏庭』

こないだ、カフェネスカフェの本棚に置いてあった梨木香歩の『雪と珊瑚と』をお茶を飲みながら途中まで読んで、不覚にも二度ほど涙ぐんでしまい、そのゆるやかな語りが優しくてとてもいいなあと思ったもので、その続きはまたカフェネスカフェで読むとして、…

[本メモ]EPITAPH東京  きみは赤ちゃん

いろいろと余裕ない。ちゃんとレビュー書こうと思うと滞りすぎるので、とりあえず2冊メモ。 ■恩田陸『EPITAPH東京』 EPITAPH東京 作者: 恩田陸 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/03/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 面白…

夏の終わりの憂鬱

仕事でのあり得ないミスが続き、対人関係でもいやなことが続き、運動不足の体はますます緩み、それなのに仕事はどんどんたまっていき、集中力はちっともないせいでたまった仕事が一向に減らず、ストレスで肌や髪の調子が悪いものだから、ますます外見の醜さ…

有吉佐和子『処女連禱』

いやー、やっぱ面白いわ、久々の有吉佐和子。かつて何かの書評本に、斎藤美奈子が「『有吉佐和子を読むと癒される』といってる女友達がいて、ほんまかいなと思って読んだらほんまに癒されて驚いた」というようなことを書いていたことから(もちろん原文ママ…

車谷長吉『漂流物』

今年5月に亡くなったばかりの車谷長吉の、まだ読んでない短編を7篇収めた文庫本が入院中の病院のボランティア図書館にあったので借りた。言うまでもないけれども面白い。面白くないはずがないのだ、車谷長吉の小説が。「山手線有楽町駅のプラットフォーム…

森茉莉『貧乏サヴァラン』『甘い蜜の部屋』

ちょっと仕事の資料として耽美的な文章を探していて行き当たった森茉莉。森鴎外の娘、として名前は知っていたけれど、著作を読むのは初めて。 貧乏サヴァラン (ちくま文庫) 作者: 森茉莉,早川暢子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/01 メディア: 文庫…

先生の白い嘘

やばい。ちょっと前のHONTZの記事をきっかけに、ネット上で冒頭を無料立ち読みしたときの強烈な印象を忘れることができずに、何度も夢に出てきたので、ようやく1〜3巻をまとめ買いしてきた鳥飼茜さんの『先生の白い嘘』。 先生の白い嘘(1) (モーニング KC)…

GingerL。2014 SUMMER

幻冬舎の女性向け文芸誌。「GINGER L.(ジンジャーエール)」。文芸誌にして、なんとアラサー向けファッション誌「GINGER」の姉妹誌ですよ。いいね! まさに「L文学」(by 斎藤美奈子)の文芸誌。気になっていたのだけど、買うのは初めて。書店でいつも見つ…

『まるでダメ男じゃん!「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選』豊崎由美

まるでダメ男じゃん!:「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選 (単行本) 作者: 豊崎由美 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/03/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る メッタ斬り書評家・豊崎由美さんの新刊。ここ100年レンジ…

『メロスのようには走らない〜女の友情論〜』北原みのり

メロスのようには走らない。~女の友情論~ 作者: 北原みのり 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: 2013/12/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 女の友情とは何か。男の友情物語の金字塔「走れメロス」を、女の友情…

サイモンシン『宇宙創成(下)』

宇宙創成〈下〉 (新潮文庫) 作者: サイモンシン,青木薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/01/28 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (101件) を見る ちょろちょろとしか読み進められなかった下巻、ようやく読了。後半は、…

『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』北原みのり

すごいものを見てしまった。「婚活詐欺」で話題を呼び、一昨年さいたま地裁で死亡判決を受けた後、先日結審した東京高裁の控訴審の判決を待つ木嶋佳苗被告のブログ。 木嶋佳苗の拘置所日記正直、すごく面白い。まず、男性観、そして女性観。 私はどうも、男…

『小さいおうち』

[監督:山田洋次 脚本:山田洋次、平松恵美子 出演:松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子]私、一番好きな作家は中島京子かもしれない。いやたぶんそうだ。マイベストはやっぱりなんといっても『イトウの恋』。これはイザベル・バ…

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

志乃ちゃんは自分の名前が言えない 作者: 押見修造 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2012/12/07 メディア: コミック クリック: 38回 この商品を含むブログ (24件) を見る 押見修造という名前は、「惡の華」が話題になった時によく目にしたけれど、作品は…

読んでるところ

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫) 作者: サイモンシン,青木薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/01/28 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 394回 この商品を含むブログ (125件) を見る 『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』が面白かったので、今さらながら、…

『宇宙はなぜこのような宇宙なのかーー人間原理と宇宙論』

サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『代替医療のトリック』などの名翻訳で知られる青木薫さんの初の著書が出ていたとな! 2013年末の朝日新聞の書評欄の「今年の本」的なコーナーで福岡伸一さんが挙げていたことでようやく発行を知った。…

恋愛の罪

恋愛している自分は自分らしくないから好きじゃない。 というような意見をどこかで誰かが言っていたか書いていたかしていたのを耳にしたか目にしたかしたことがあって、「本当にそうだよな」と膝を打ったことがある。宇多田ヒカルも『BLUE』で、「もう恋愛な…

『彼女たちの売春(ワリキリ)社会からの斥力、出会い系の引力』

彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力 作者: 荻上チキ 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2012/11/29 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 37回 この商品を含むブログ (10件) を見る Kindle版をiPhoneで読了。主に「出会いカフェ」を舞…

『首のたるみが気になるの』

首のたるみが気になるの 作者: ノーラ・エフロン,阿川佐和子 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2013/09/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る It had to be you……。『恋人たちの予感』は大学生のときにレンタルビデオ屋で借りて観た。軽妙…

GINZA12月号

雑誌「GINZA」の12月号は「歌謡曲特集」。モード誌なのに斬新すぎる特集。さすがだGINZA! とリスペクトしつつ購入したが、それにしてもこんなにあからさまにアラフォー向けであることを表明してしまって大丈夫なのか。面白かったけど。 GINZA (ギンザ) 2013…

女の絶望

伊藤比呂美の「女の絶望」を読む。面白すぎる。面白すぎて泣ける。なんて優しい人なんだ。おびただしい数の女から(時に男から)寄せられた悩みに答えつつ、それら無数の無名の人々の人生物語を折り込みながら縦横無尽に語り尽くす愛と性、生と死、人間の業…