うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

『阪急電車』今津線各駅下車の旅(11)3たびめの西宮北口駅と星新一 ※完結

そして降り立ったのは、3たび目の西宮北口駅である。 乗換駅だし、住宅地の中の駅ということもあり、駅構内にはスイーツ屋さん、花屋さん、雑貨屋さんなどのお土産系、喫茶店などの待ち合わせ系のショップが充実している。時計広場とベンチもある。書店もあ…

『阪急電車』今津線各駅下車の旅(10) ふたたびの今津駅と哀愁の阪神国道駅

久寿川駅から一駅だけ乗って、また今津駅に戻ってきた。お腹が空いたから駅前で串カツでも食べよう、というわけである。 むっちゃ歩いたのでビールがうまい。 串カツの黄金ルールは「ソースの二度づけ禁止」。テーブルの上にはソースをなみなみとたたえた箱…

『阪急電車』各駅下車の旅(9)酒と虎の今津駅

次は今津ゆきのホームへ向かう。 このホームに来るのは何年ぶりだろうか。大阪─神戸間は、阪急電車神戸線、JR神戸線、阪神本線がほぼ平行して東西に走っているが、南北の連絡は極めて悪く、最も北側(山手)を走る阪急電車と、最も南側(浜手)を走る阪神…

『阪急電車』今津線各駅下車の旅(8)西宮北口でタコ焼きを食べる

西宮北口駅に戻ってきた。 西宮北口駅は、東西の神戸線、南北の今津線が交差する乗換駅だが、今津線の線路はこの駅で分断されていて、北行き、南行きはそれぞれ違うホームから折り返し運行されている。 ホームから階段を上がると、上階は広いフロアになって…

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(7)門戸厄神駅という欧風概念

甲東園駅から隣の門戸厄神駅まではすぐやし、歩く? という提案は娘に即座に拒否され、また1駅ぶん電車に乗る。門戸厄神駅の改札は西側にしかないと思っていたが、東側にも小さな改札があった。こんなんあったっけ? 駅を出ると、すぐ横の踏切のところが五…

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(6)甲東園・上ヶ原の見えない新幹線

甲東園駅は今津線で最も学生の乗降が多い駅で、わたしも学生時代に頻繁に利用した。 この駅から坂を上った高台「上ヶ原」には、背後の甲山を嫌味なほど見事に借景にした関西学院大学のイキッたキャンパスがある(アメフト問題で有名になったから広く知られる…

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(5)仁川駅のメイド服

仁川駅は、宝塚市と西宮市の境界に位置する駅で、駅のすぐ横を流れる仁川の右岸は西宮市、左岸は宝塚市である。 しかし、川をはさんで両側に「仁川」という地名があって、わたしが住んでいたのは西宮市側の仁川だったのだが、宝塚側にも仁川があった。で、仁…

『阪急電車』各駅停車の旅(4) 小林駅の昭和ストリート

そして、娘が一番楽しみにしていた小林駅。 小林と書いて「こばやし」ではなく「おばやし」と読むのはかなりの難読駅名になるのではないか。私も大学の時に下宿を探しに入った不動産屋で初めてこの駅名を聞いた時、なんてへんてこな名前なのかと思い、同時に…

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(3) 草ぼうぼうの逆瀬川

逆瀬川駅の駅ビルには、私が大学生だったころ西武百貨店が入っていた。阪急電車なのに阪急百貨店ではなく西武百貨店。 当時、私はここから2駅先の仁川駅から坂をずいぶん上がった辺鄙な場所に住んでいて、近所のコープさん(神戸、阪神間エリアの人はコープ…

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(2)宝塚南口駅の古いベンチ

宝塚駅から宝塚大劇場に続く小道「花のみち」には、街路樹と季節の花々を植え込んだ花壇、そして宝塚歌劇の名場面を再現した銅像などもあちこちに立っている。 緑豊かでキラキラと光が降り注ぐ、夢の世界へ誘う道だ。右手には武庫川の流れが見え、左手には、…

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(1)キラキラの宝塚駅

最近とてもよく本を読んでいる中1の娘が「阪急今津線に乗りたい。特に小林(おばやし)駅に降りたい」と、妙なことをいうので理由を聞くと、有川浩の『阪急電車』を読んだので、実際にその舞台になっている阪急今津線に乗って駅の周囲を順番に散策したいの…

I love you , but I am not belong to you.

アマゾンプライムで『ティファニーで朝食を』を再見した。 ティファニーで朝食を (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 4年前にこんな感想を書いていたのだけど、まあ印象はあまり変わらない。というか、以前よ…

絶望の先の希望 窪美澄『晴天の迷いクジラ』

最近、続けて窪美澄を読んだ。どれもいいです。これはデビュー2作目なのかな? 晴天の迷いクジラ (新潮文庫) 作者: 窪美澄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/06/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (16件) を見る 「機能不全家族で育った」という…

グロテスクで愛おしい郊外小説『ふがいない僕は空を見た』

以前「GingerL」でたまたま読んだ短編『水曜の夜のサバラン』が大変面白くて、ずっと気になっていたのに読んでいなかった窪美澄さん。初めて単行本を読む。いやー大変面白かったですね。 視点人物を変えて綴られる5編の連作小説。私は相互に関連のない短編…

10月に思ったりしたこと

視覚を間接的に得る 障害者スポーツを体験できるイベント「ノーマライゼーションスポーツ大会」に娘と一緒に参加した。アイマスクをつけて鈴の入ったサッカーボールでシュートしたり、レース用の車いすで100mを駆けたり、いずれも楽しい体験だったが、出色…

対話するうた「連句」

『連句茶話』を読んだ。神戸在住の詩人・鈴木漠さんの連句論だ。 連句茶話 作者: 鈴木漠 出版社/メーカー: 編集工房ノア 発売日: 2016/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 季節を折り込んだ五七五の発句に続けて、七七(短句)、五七五(長句)…

うんこまみれで生きる 伊藤比呂美『犬心』

伊藤比呂美の文章はなんでこんなに心を揺さぶるのでしょうか。在米の詩人である著者が、熊本に暮らす老親の介護と看取り、それに重なる老犬の介護と看取りに奔走する1年あまりの日々を描いたこの本ももちろん例外ではない。本に登場する犬たちは、それぞれ…

無人島に持って行きたい一冊 姫野カオルコ『リアル・シンデレラ』

リアル・シンデレラ (光文社文庫) 作者: 姫野カオルコ 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2012/06/12 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (5件) を見る 久々に読んだ姫野カオルコ、むちゃくちゃよい。私が姫野カオルコを読んでたのって、いつ…

個人の思いと歴史をつなぐフィールドワーク  小倉美惠子『オオカミの護符』

オオカミの護符 (新潮文庫) 作者: 小倉美惠子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/11/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る なんとも不思議な読み心地。取材に基づいた社会学的な部分と、きわめて個人的な感情が露出した伝記的な部分が(おそら…

高みをめざして地べたを這う壮絶な人生模様  『或る「小倉日記」伝』

或る「小倉日記」伝 (角川文庫) 作者: 松本清張 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2013/08/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る Kindleに入っていたものを再読して、うーんと唸った。松本清張の、本当に素晴らしい初期の短編集。…

生きることへの誠実なエール  梨木香歩『裏庭』

こないだ、カフェネスカフェの本棚に置いてあった梨木香歩の『雪と珊瑚と』をお茶を飲みながら途中まで読んで、不覚にも二度ほど涙ぐんでしまい、そのゆるやかな語りが優しくてとてもいいなあと思ったもので、その続きはまたカフェネスカフェで読むとして、…

[本メモ]EPITAPH東京  きみは赤ちゃん

いろいろと余裕ない。ちゃんとレビュー書こうと思うと滞りすぎるので、とりあえず2冊メモ。 ■恩田陸『EPITAPH東京』 EPITAPH東京 作者: 恩田陸 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/03/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 面白…

夏の終わりの憂鬱

仕事でのあり得ないミスが続き、対人関係でもいやなことが続き、運動不足の体はますます緩み、それなのに仕事はどんどんたまっていき、集中力はちっともないせいでたまった仕事が一向に減らず、ストレスで肌や髪の調子が悪いものだから、ますます外見の醜さ…

有吉佐和子『処女連禱』

いやー、やっぱ面白いわ、久々の有吉佐和子。かつて何かの書評本に、斎藤美奈子が「『有吉佐和子を読むと癒される』といってる女友達がいて、ほんまかいなと思って読んだらほんまに癒されて驚いた」というようなことを書いていたことから(もちろん原文ママ…

車谷長吉『漂流物』

今年5月に亡くなったばかりの車谷長吉の、まだ読んでない短編を7篇収めた文庫本が入院中の病院のボランティア図書館にあったので借りた。言うまでもないけれども面白い。面白くないはずがないのだ、車谷長吉の小説が。「山手線有楽町駅のプラットフォーム…

森茉莉『貧乏サヴァラン』『甘い蜜の部屋』

ちょっと仕事の資料として耽美的な文章を探していて行き当たった森茉莉。森鴎外の娘、として名前は知っていたけれど、著作を読むのは初めて。 貧乏サヴァラン (ちくま文庫) 作者: 森茉莉,早川暢子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/01 メディア: 文庫…

先生の白い嘘

やばい。ちょっと前のHONTZの記事をきっかけに、ネット上で冒頭を無料立ち読みしたときの強烈な印象を忘れることができずに、何度も夢に出てきたので、ようやく1〜3巻をまとめ買いしてきた鳥飼茜さんの『先生の白い嘘』。 先生の白い嘘(1) (モーニング KC)…

GingerL。2014 SUMMER

幻冬舎の女性向け文芸誌。「GINGER L.(ジンジャーエール)」。文芸誌にして、なんとアラサー向けファッション誌「GINGER」の姉妹誌ですよ。いいね! まさに「L文学」(by 斎藤美奈子)の文芸誌。気になっていたのだけど、買うのは初めて。書店でいつも見つ…

『まるでダメ男じゃん!「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選』豊崎由美

まるでダメ男じゃん!:「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選 (単行本) 作者: 豊崎由美 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/03/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る メッタ斬り書評家・豊崎由美さんの新刊。ここ100年レンジ…

『メロスのようには走らない〜女の友情論〜』北原みのり

メロスのようには走らない。~女の友情論~ 作者: 北原みのり 出版社/メーカー: ベストセラーズ 発売日: 2013/12/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 女の友情とは何か。男の友情物語の金字塔「走れメロス」を、女の友情…