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うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を」を今さらDVDで見た。田舎の夫がニューヨークまで迎えにやってきて、14歳の田舎娘だった君、面白い冗談をいう、楽しくて、可愛い妻よ、君を愛しているんだ、と真剣な目で訴える。しょぼくれた実直な夫。美しいドレスで着飾った姿を見て「まるで骨と皮だよ」と心配し、一緒に帰ろう、幸せな家に、と呼びかける彼に、もうルラメーはいない、あの14歳だった娘はいない、と涙で送り帰し、赤く傷つく。辛いシーンだなあ。
田舎にある幸せを幸せとして認めているのに、それを幸せと感じて生きていくことはできない彼女は、それを切り捨てざるを得ない。そして、愛を理由に自分を所有しようとする新しい恋人も拒絶する。いわばメンヘル女のお騒がせ日記なのだけど、あのタイプがそこで落ち着くわけがないから、映画のラストはリアリティのない一時の甘い癒やしに過ぎない。何も解決していないし、これからも解決する見込みはない。だれだって翻弄され続けると相手を憎み始める。本物の偽物として生きていくしかない彼女は、この先、どれだけの期間、フレッシュな他人を魅了し続けて生き延びることができるだろう。早晩行き詰まるのが透けて見えて辛いラスト。

ヒロインはやっぱりヘプバーンよりもマリリンモンローの方がよかったと思う。ヘプバーンは、計算高く見える。もちろん可愛いのだけど、天真爛漫にはとても見えない。