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うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

読んでるところ

 

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

 

 

『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』が面白かったので、今さらながら、未読だったサイモンシンの『宇宙創成』を読んでるところ。

移動中の電車の中でちまちま読むだけなのであまり進んでないけど、過去の科学者たちの人となりにフォーカスした記述が興味深い。

特に興味を惹かれるのが、惑星が正円ではなく楕円軌道を回っていることを突き止め、コペルニクスの天動説の精度を高めることに成功したケプラーである。

 ケプラーは、戦争や信仰上の争いによって生じた激動をどうにか乗り切ろうとあえぐ身分の低い家庭に生まれた。父親はつむじ曲がりだったうえに犯罪者となり、母親も魔女の嫌疑をかけられて追放の身となった。そんな家庭環境にあったケプラーが、自分に自信のもてない、不安がちで心気症もちの大人になったのも驚くにはあたらない。ケプラーは、自らを卑下するような星占いを「彼」という三人称でつづりながら、自分をみすぼらしい犬になぞらえた。(新潮文庫 p83)

この引用部分のあと、実際に自分を犬になぞらえた文章が引かれていて、すごく面白いのだけど、これの出典は何なのだろう。「他人に親切にされることをたえず願い、何事につけても他人に依存し、他人の意向におもねり、叱られても腹を立てず、ふたたび気に入られることを切に願う。」とか書いてある。卑屈すぎw(でも共感する)。ドストエフスキーの『分身』に出てくるゴリャートキンみたいやな。

真実を探求する科学者でありながら、占星術に傾倒し、SF小説をものし、革命的なケプラーの法則を打ち立てながら、惑星は固有の音楽を奏でているという珍説も唱えたケプラー。偉大すぎる業績である「ケプラーの法則」はもちろん、思い込みだけを根拠に惑星軌道と正多面体を組み合わせた「多面体宇宙モデル」も、天を楽譜になぞらえて音楽を読み取ろうとするその情熱も、なんだかすごく(そして無駄に)美しくて、なんだか切なくなってしまう。

ケプラーの情報サイトがあった。

http://www.johanneskepler.info

架空インタビューや、ケプラーの生涯を描いたテレビ番組の動画(?)なんかもあって、楽しい。