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うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

Passionのある表現

展覧会 ファッション

 

 

兵庫県立美術館「芸術の館」の特別展「ポンピドゥー・センター・コレクション フルーツ・オブ・パッション」を観に行った。パリのポンピドゥー・センターに直接交渉して、最新コレクションをがっつり神戸に運んできたオリジナル展だそうで、他館への巡回ナシ。やり手館長・蓑豊さんが繰り出す蓑イズムあふれる企画。素晴らしい。企画展はこうでなくちゃね!

作家の一覧を見ると、アラフォーの私の同世代がズラッと並んでおります。

巨匠・安藤忠雄建築の建物は、会場へのアプローチも非常に気が利いておりまして、冷たく巨大なコンクリート打ちっ放し空間にぽっかり開いた吹き抜けの周囲をぐるぐると階段で上っていくという、虚無と永遠を内在したボルヘスの図書館を想起させる仕様です。今回の特別展では、入口まわりはショッキングピンクのボーダーの壁紙で装飾されていて、このコントラストの際立つ意匠にも期待が高まる! 高まりまくりです!

というわけで、割とワクワクしながら観たのだけど、正直言って、展覧会そのものにはあんまり萌えなかった。ひとことでいうと、おしゃれなインテリアを観ているような気分。あんまり美術のこと知らないし、現代美術の文脈にも疎いのだけど、私がこの種の美術展に求めるものって「こんなの初めて見た!」っていう、感情が揺さぶられる感じなのに、そういう高揚感があまりなく、クリーンで低体温。どれも素敵なんだけど、どれも「可愛い」っていう形容詞に収斂される感じ。同じクリーンで低体温でも、インテリアショップのインテリアなら触ったり座ったりできるけど、美術館のアートピースは触れるわけでもなくて疎外感があるし。

でも、その中では映像作品が面白くて、山に向かってチェロを弾いてる、それだけといえばそれだけの映像なのに、すごい異次元感を醸し出してる『エコー』(ツェ・スーメイ)とか、海に潜って、内蔵みたいな、あるいは天女みたいな、どことなくグロテスクで、すごく美しい姿をさらしてくれた『血液、海』(ジャナイナ・チェッペ)とか、よかった。



しかし「パッション」といえば、美術館に飾られているアートよりも、市場に流通しているファッションの方がよほどパッショネイトではないだろうか。コレクションモデルの概念を打ち破る巨体のダンサーをモデルに起用してコレクションピースを着用させてランウェイで激しく躍らせたRick owensとか、フェミニンなドレスをメンズモデルに着せたJ.W.ANDERSONとか。めちゃくちゃわくわくするし、どきどきする。

 

Rick Owens Spring 2014 RTW - Review - Fashion Week - Runway, Fashion Shows and Collections - Vogue

 


J.W.ANDERSON MENS | MATHEMATICS OF LOVE | FALL 2013 - YouTube

 


ひたすら美しいテキスタイルで美しい興奮を与えてくれる、大好きなUKブランド「swash」とか。

SWASH LONDON

 

というわけで、passion補給なら、美術館に行くより服を買うべきだな、と思ったりするのだ。単に買い物しすぎていることに対する言い訳かもしれないけど。