うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

エントロピーが増大する

エントロピー」という言葉を初めて聞いたのはのは小学生の頃だったっけ? なんしか講談社ブルーバックスの「エントロピーとは何か」という本を読んで、内容も全然覚えてないし、本も今手元にないのでちゃんとした内容を確認できないし、本質的な理解とはほど遠いと思うけど「エントロピーというのは端的にいうと“無秩序さの程度”のことで、放っておくと無秩序は進行し続け、もうこれ以上の無秩序はない、というレベルまで達したらそこで安定して無秩序であり続ける。ここにエントロピーは最大限になる。エントロピーというのは増大することが運命づけられているものだ」というようなことが書いてあった、たぶん。

部屋を片付けないで放っておくと足の踏み場がなくなるし、ビーチで砂の城を作れば波に洗われていずれもとのなめらかな砂浜に戻る。

そんなのごく当たり前なのだけど、そのようなカオスの広がり、乱雑化のことを「エントロピーが増大する」と、「なにかしら増える」という方向性で表現する、ということに、何か新しい視点をもらったような爽快感を感じた。なるほど世の中というのはその理において乱雑化するものであるのだから、その方向こそが“増大”であり、“進行”であると。その理に反して整理整頓したり、砂の城を作ったりすること、つまり人間の営為全般は、自然の摂理への抵抗であり、自然のプロセスの後退をうながすものなのだなーと。

考えてみれば労働とはすべて、肉体労働であれ知的労働であれ、賃労働であれ家事労働であれ、無秩序から秩序を生み、エントロピー増大の流れに抗うものである。何か例外あるかな? 分からないな。そしてもちろんその抵抗にこそ文化的営為の崇高さが宿るのだ。

放っておいても世界はグローバル化して、土地ごとの固有の文化は均質化し続ける。でもそれを食い止めようとすることにエネルギーを注ぐ人がいる。抗いきれず消える文化がある。エントロピーは増大する。増大する余地がまだまだたくさんある。