うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

アナと雪の女王

思いっきり旬を外して、今さらながら見た「アナ雪」。
正直、スルーするつもりだったんだけど、小3の娘の周りでは友達がほぼ観ているそうで、しつこくせがまれて観に行った。このまま夏休みまで公開が続くのではないかと思われるロングラン上映。すごいなあ。こんだけヒットしてると情報もなにかしら入ってくるので、「Let it go」は何度もyoutubeで観ていたし、「姉妹モノ」「王子様と結ばれない画期的なディズニー物語」「妹は男にモテる」「姉は抑圧されている」というような断片的な情報もたくさん入ってきて、私の中では既に「抑圧された姉が能力を開放して“ありのまま”の自分を見つける話」という要約ができていたのだけど、実際に観てみると結構印象が違った。

まず「Let it go」があんなに前半に出てくるとは思わなかった。
予告編としてあの歌の部分だけ観た印象だと、あれはクライマックスに近いエピソードなのかと思ったのだけど、違うのね。歌詞といい、振る舞いといい、映像といい「抑圧という自分の敵」に気づいた瞬間の開放感がすごくよく表現されているのでめちゃくちゃ気持ちいいのだけど、同時に「そんなに盛り上がって大丈夫か」と不安になる映像でもあった。“これでいいの 自分を好きになって”とか“何も怖くない”とか“わたしは自由よ”とか。そういう高揚感の後って、その反動でドーンと落ち込むに決まってるじゃないの。もう分かりきってる絶壁感。こわい。その先を見たくない。でも映画ではそれがハッピーエンドになるんだよね、コワイなー。と思っていたわけです。観るまでは。

全然違った。「ありのままの自分になる」と高らかに歌い上げたエルサはそのあと、結構な邪悪な存在になってしまうのであった。モンスターをつくって妹を追い詰めたりして……。それが「ありのまま」だったのか。衝撃。でも、結局、抑圧からの解放って、それを自覚して開放感を得ただけじゃ成就しないということを的確に捉えていると思った。そもそも他者からの不可抗力的な力がかけられてきたからそこまで抑圧されてきたわけで、自分の意識を変えただけでどうこうできるものではない。長年抑圧されてきた毒は、どうしたって激しく出してしまわないと無毒化などできるはずがない。たとえ、その毒が肉親を傷つけることになったとしても。あのモンスターぐらい邪悪なものが身の内あったということなのよね。で、その抑圧の根源が、あの映画の中では「(悪い)力を抑えよ」「(悪い)力を隠せ」という親の愛、という名のしつけ、という名のいじめ?だったことが示唆されている。これは子を持つ身として結構コワイよ! まあうちは1人娘だからいいか(そういう問題じゃないか)。

でもそんな家庭環境で、妹だけあんなにすくすく育つものかなあ。アナちゃんはとってもチャーミングな女の子だけど、一方で、ドジッ娘的なモテテクを次々と繰り出すやり手女子にしか見えなかったりもする。あれを、無意識にやるって最強やな。勉強になりますっ!

などといいつつ、前半20分からずっと泣いていた私ですが。
でも思っていたような爽快感はなく、結構モヤモヤするお話であった。

とはいえ、子どもに飽きさせないディズニーの手腕はやっぱりすごいと思った。
あと、冒頭の氷を切り出すシーンの映像がものすごくキレイだったなあ。
本当に、あれはよかった。



「アナと雪の女王」予告編 - YouTube