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うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

生き仏のような伊藤比呂美、圧巻。

凍えるように寒い12月の土曜日、P-actの『猫会議 師走の京都で伊藤比呂美に会ふこと』を観た。

 

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チラシだけでは内容がよく分からなかったのだけど、女の人生を生々しく語らせたら一級品すぎる詩人・伊藤比呂美が般若心経を現代語訳した、というか、老親の看取りの体験に絡めて般若心経を味わう『読み解き「般若心経」』の朗読劇。10人の役者の声が多重奏のように響き合う。

同書は未読で、耳慣れた般若心経の意味など全く知らなかった私としては、とても勉強になる朗読劇の内容がとても面白かったし、母を看取る前後のお話も、それを代わる代わる演じる役者のたたずまいも素敵だったけど、やはり圧巻は伊藤比呂美さん本人のご降臨。

冒頭、舞台袖か比呂美さんが現れた瞬間、自分でもわけがわからなかったけど、普通に涙が出てきてちょっと困った。かなり涙腺がゆるい私ではあるけれど、さすがに泣くところじゃないよな、と泣きながら苦笑。しかし、独特のリズムで般若心経の現代語訳を読むその声はもちろん、リズムに合わせて揺れる体、時折踏み出す足、すべに名状しがたい説得力があり、目が離せない。よく分からないけどトリップ状態。本を読んでても、確かにそれは感じるけど、実物のオーラがここまでとは。す、すごい。素敵すぎる。
最後に登場したときも、その姿を見てやっぱり涙が出てきた。なんかもう、生き仏のように神々しい。あちこちから降ってくる言葉にまみれてちょっとしたエクスタシー。

全くの余談ながら、右の目からしか涙が流れなかったんだけど、何故だろう。私、左脳で泣いてるのかな?

読み解き「般若心経」 (朝日文庫)

読み解き「般若心経」 (朝日文庫)

 


米国在住の比呂美さん、今回の日本滞在では色んな企画があったようで、どれもこれもめちゃくちゃ面白そうで、全部行きたかったぐらい。今後このようなチャンスがあれば絶対に見逃すものか。

中沢けい公式サイト|豆畑の友


ものすごく寒い夜で、受付を待つ列に震えながら並んでいたら、季節外れの金木犀の香りがした。どこだろう、と思わず探したけれど、今ごろ金木犀が咲いているはずもなく。後から気づいたけれど、パンフレット類からその香りがした。香源に近いところでかぐと、金木犀ではなく柑橘系の香りだった。香でもたきしめたのだろうか?

終演後、外に出ると、向かいのビルの上に満月が登っていた。京都で、師走、満月にこんな舞台を観られるなんて、できすぎだわ。行きはタクシーを使った道のりを、四条河原町までゆっくり歩いた。ビストロ、割烹、カフェ、焼肉……。いろんなジャンルのこぢんまりした美味しそうな店がたくさんあった。京都いいなあ。クリスマスイルミネーションがとてもキレイだった。

 

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