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うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

『地獄のガールフレンド』

 

地獄のガールフレンド  1 (FEELコミックス)

地獄のガールフレンド 1 (FEELコミックス)

 

 『先生の白い嘘』の鳥飼茜のもうひとつの新刊『地獄のガールフレンド』を購入。年齢も立場も違う3人の女がひょんなことから共同生活をすることになり、それぞれの人生観、男性観、恋愛観などが交錯しつつ変化していく、というような女の友情譚、なのか、まだ1巻だけだからこれからどうなるか分かんないけど。

面白かった。
………けど思ったほど共感ポイントがなかったな(ボソッ)。

表面的には「わかる」感じもするんだけど、「あるある!!」と強くうなずく感じがない、のは三者三様のシチュエーションに細かいところでリアリティがないから、じゃないか。そのへん、追々明らかになるのか?

家主の奈央は、自分のブランドを持ってるファッションデザイナー兼ショップオーナー。
同居人その1の可南は、保育園児(5歳ぐらい? 年中?)の息子を持つシングルマザーにしてフリーのイラストレーター。離婚したて。
同居人その2の悠里は、独身会社員。

可南は、出産後、世間に「お母さん」としか見られなくなったことと、家事に協力的ではない夫に不満を持っていた。夫には以下のような「よくある」夫からの「正論」に反論できず、「言い返す気力も失った私は/自分から/お金もなんもなしでリコンをお願いした」そうだ。

だからその分稼いでるなら俺だって家事半々でするよ? 家に金は入れないけど自由はくれって…
君が思う「仕事」っつうのは単なる自己実現だろ?
可南の言ってることはワガママだよ

 ↑このあたりの無理解夫のセリフって、ある種ステロタイプな「あるある」だけど、でもさ、この時点で息子はちゃんと保育所に入ってるわけよ、可南さん。家計に充当できないほどの稼ぎしかないフリーランサーで在宅勤務で、市役所の福祉担当から「他にも沢山の方が空きを待っているんです」と言われるような場所で、どうやって保育所に入れたんだろうか。何歳で入ったんだろうか。まさか0歳? 1歳? 2歳? 3歳? 在宅で、夫に「自己実現」と揶揄されるような仕事してる母親にとって保育所入所のハードルはすごく高い。しかもフリーランサーには産休育休制度なんてないから、この間に仕事が劇的に減るんだよ。つーか実質ゼロにしなくちゃしょうがない。私も場合も、0歳児(6か月)から公認保育所に預けるために、4か月から高らかに復帰を宣言して、受注ゼロの状態から細かい仕事をかき集めて、ギャラ以上のお金を出して無認可保育所に預けて「実績」をつくったのは、自分が家計の中心を担うために、最初から0歳児で保育所に預ける予定で取引先にも復帰時期を明言して復帰計画を立てていたからで、それでも新設保育所が近所にできたタイミングにうまく滑り込めた私はとてもラッキーだったけど、復帰を具体的に予定せずに出産育児に突入して、なしくずしに仕事を失って主婦生活に入ったフリーランサーの社会復帰はすごく難しい。育児に気力と体力を奪われ、子どもを預ける場所もなく、どうやって新規営業などできるだろうか。

たとえ仕事があったとしても、保育所も預けられず、泣く子を抱えながらノイローゼ状態で24時間フル稼働で仕事・家事・育児をやって、自分の時間は限りなくゼロ。夫は無理解。イライラしてつい子どもに手を出してしまう。後悔して号泣。……なんて出口のない状態にすぐ陥ってしまうのが今の時代の密室子育て、だったりする。

「お金もなんもなしでリコンをお願い」できるのは、充分な給料を貰える一流企業でフルタイムの仕事を持ってて(経済の自立)、育児を完全サポートしてくれる実家が近所にある(家事の依存)という、恵まれた条件の女性でなければ実質無理、だからこそ離婚もできずに鬱々としている母親が多いのではないか、この世には。

で、離婚した可南の独白が「そんなに大変じゃない」というのは、うーん。そうなの?
え、ほんとに、ほんとにそうなの? じゃあ、家事をきっちり分担できる夫がいてなお、育児は大変だと思ってる私はどんだけダメなの。

「自分の人生が楽しいと 人に言いづらいのはなんでだ」「お互い選んだ道が違いすぎるから 私たち女は 誰も彼も大変てことにしてなきゃいられない」

というのも可南のセリフだけど、えー、そうなの?
自分ばかりが大変に思えて、泣いて、辛くて、周囲を見たら、独身は時間があって多趣味で楽しそうだし、会社員は保障があって安泰そうだし、主婦は自分にはない子どもへの愛情であふれてそうだし、みんなキラキラして見えて、自分だけが地べたを這ってるように惨めに見えて、すべてがコンプレックスの養分になって、でも「本当はそれぞれの立場で大変なんだ」「私は色々あっても今が一番いい、ベストチョイスだ」って当たり前のことを心の中で力強く唱える気力が湧くまでは、卑屈な気持ちは常に自分とともにある……のは私だけ? もちろん楽しいこともある。そりゃ自分で選んだ道だからね。そんなときは喜び勇んで「楽しい」っていうわ!


奈央さんもあんなんでブランドとかショップとか成り立つのかな。親の遺産があるの?
鹿谷くんはゲイっぽいキャラだけど、なんで処女厨!?
(それにしても鳥飼茜さんは処女厨好きやな……。なんでやろう)

ところどころで「決めのセリフ」を言うために、設定を持ってきた、という感じがしてなあ……。
いや、でも2巻が出たら買うけど。

一番共感したのは「ホントのこと言う私は 男の人にとってドブスなんだ」という奈央さんのセリフかな。

私は恋愛関係ではそんな経験ないけど、仕事では何度も何度もそんな経験してるからなー。男の仕事相手にホントのこといって、どんだけ激しくキレられたか。そうなったらほんと、笑うしかないからな。そして喋るしかない。ほんとに。はははははははは。

 


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追記(6/30) 続きを書いた