うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

『阪急電車』今津線各駅停車の旅(7)門戸厄神駅という欧風概念

東園駅から隣の門戸厄神駅まではすぐやし、歩く?

という提案は娘に即座に拒否され、また1駅ぶん電車に乗る。門戸厄神駅の改札は西側にしかないと思っていたが、東側にも小さな改札があった。こんなんあったっけ?

 

駅を出ると、すぐ横の踏切のところが五叉路になっている。

厄除けの神様として名高い「門戸厄神」は駅の北西方面。そちら側には田園風景が広がっているので、これまで降りた駅の中で、最も駅前の風景に開放感があるというか、平野っぽい広がりを感じさせる。

 

f:id:moving-too-much:20090826023525j:plain

 

踏切の脇には西国街道を示す看板が立っている。

いわれてみれば、この風景はとても街道っぽい。大名行列も似合いそうだ。

 

f:id:moving-too-much:20090826023512j:plain

 

線路を斜めに横断する旧西国街道と並行するように、ここから少し南に下ったところを国道171号線(いないち、と呼ぶ)が通っている。車の通行量がとても多いいわゆる幹線道路である。

門戸厄神あたりはのんびりした田舎の雰囲気が漂う静かな住宅エリアなので、道を歩いていていきなり171号線にぶつかると、いつも唐突な気がしてびっくりしてしまう。この道路で空気がガラリと変わるからだ。この171号線がひとつの結界となって、宝塚から門戸厄神までの、小説『阪急電車』に描かれているような「北今津線らしさ」を守っているような気がしないでもない。

 

ところで、門戸厄神駅のことは一般的に「もんど」と略するのだが(多分)、それを聞いた娘が「『もんど』はおかしいやろー。日本語に聞こえへん」という。確かにちょっとフランス語っぽい。もんど。MONDE。

大学の最後の方の時期の彼氏がこの駅の近くに住んでいたので、わたしはこの駅で降りる機会も多かったのだけど、このあたりの田園風景の中には「ダイドーメゾン」と大書したマンションがいくつも建っていた。そのオーナー会社のビルもあって、そこにも「DAIDO」とでかでかと書かれていたように思う。「もんど」と「だいどー」。

だから何? という感じだけど、わたしの中ではすごくこの響きがシンクロしていて、「もんど」は「やくじん」とは切り離され、異国的な響きのエッセンスが入った欧風の概念になっている。何言ってるかよく分かりませんね。

門戸厄神に住んでた彼氏とは大学を卒業する前に別れてしまったのだけど、わたしもなにか「討ち入り」みたいなことすればよかったかなー。

 

f:id:moving-too-much:20090826025025j:plain

 

ちなみに、次の西宮北口は略して「にしきた」なのだが、最近は「きたぐち」という呼び方が多数派なのだと友人から聞いた。本当だろうか? 西宮北口の重心は明らかに「西宮」の方にあるのに、ただ「北口」なんていったら新宿北口みたいではないか。とはいえ、地名の一部として替えのきかない「西」と、無機質に方角を指しているにすぎない「北」を同等に並列する「にしきた」という略称がぴったりきているとも思わない。そもそも「西宮北口」って名付けが間違っている。「阪急西宮」でよかったのに。でも西宮北口は、いくら発展してもこの名前のおかげで「阪神間の一結節点」的な引いたポジションでいられる感じがあって「いやいや、発展とかめっそうもないっすよ〜。全然三宮とかをおびやかすつもりないですから〜」みたいな舎弟的空気感の演出になってる気もする。しかし実は三宮が気づいていないうちに裏の番長みたいに阪神間の実権を握っているのだ。

 

ともあれ、暑かったので、駅の裏手のファミリーマートで、熱いミルクを入れて溶かして食べるタイプのフラッペを買ってイートインスペースで食べた。期間限定のスイカ味。写真を撮るのは忘れてしまったけど、おいしかった。スイカバーと同じで、チョコの種が入ってるんですよ。

 

f:id:moving-too-much:20090826024847j:plain

 

(つづく)

 

 

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)