うだうだと考える日記

読んだ本や観た映画、日々の雑事のあれこれ ネタバレはないはず。

『阪急電車』各駅下車の旅(9)酒と虎の今津駅

次は今津ゆきのホームへ向かう。

 

f:id:moving-too-much:20090826042411j:plain

 

このホームに来るのは何年ぶりだろうか。大阪─神戸間は、阪急電車神戸線JR神戸線阪神本線がほぼ平行して東西に走っているが、南北の連絡は極めて悪く、最も北側(山手)を走る阪急電車と、最も南側(浜手)を走る阪神電車を連絡する唯一の鉄道路線がこの阪急今津線となっている。そして、終着の阪急今津駅が、阪神今津駅に連絡しているのだ。

 

西宮北口阪神国道−今津]の3駅だけを折り返すこの電車に乗った記憶は数少ないが、運行本数も少なく、乗客もまばら……という勝手なイメージがあったのに、いざホームに来てみるとたくさん人が待っているし、電車も10分おきに出ていた。普通に便利やん。誤解してました。すみません。

 

今津線全駅下車を目標としていたが、いい加減疲れていたので、阪神国道は飛ばそーか、ということで今津に向かう。北側の今津線とムードのまったく違う高架線。生活感から浮遊した街の風景の上澄みを車窓から眺める。

しかし、出発したらすぐに終着だ。乗車時間はわずか3分。

阪急今津駅に着くと、構内に宝塚市出身のイラストレーター、中村祐介のラッピング車両のポスターが貼ってあった。娘がそれを見て「この人の絵、好き〜」という。好きな本の装丁画を描いているのだそうだ。ビビッドな色使い、フラットな線、無機的な雰囲気。わたしはそれらのイラストを見て、星新一の装丁画家としておなじみの真鍋博を思い出す。好きだったなあ、星新一。エフ氏やエヌ氏が暮らす未来には、固有名詞から解放された清潔感があった。しかし、星新一の予言が色々と的中している現在、あのような清潔感と目の前の現実は遠い。それは、いいことでもあり、悪いことでもある。

娘とそんな話をしながら、阪急−阪神の連絡通路を抜けて外に出る。

 

同じ西宮でも北の方と南の方では風景が見事に変わる。

 

f:id:moving-too-much:20090826043757j:plain

 

阪神今津駅前から続く通りに並ぶのは、串カツ、タコ焼き、お好み焼き……と、完全にラインナップが大阪である。兵庫県東部沿岸には大阪府が侵食しているのだ。阪神タイガースの意匠も頻繁に見かける。ここから東に2駅先には聖地・甲子園がありますからね。

 

f:id:moving-too-much:20090826043823j:plain

 

駅前の地図をちょっとだけ見て、「酒蔵通り」でも歩くか、と南をめざす。

この一帯は、江戸時代からの酒どころ「灘五郷」の最東端に位置する「今津郷」なのである。

 

西に曲がれば、お隣の「西宮郷」の観光酒蔵がいくつかあるのだが、わたしたちは東に曲がる。今津に来たんだから今津郷の風景を見ないとね。

 

f:id:moving-too-much:20090826045745j:plain

f:id:moving-too-much:20090826045827j:plain

 

 

明治時代に小学校の校舎として建てられたという可愛らしい六角堂、酒蔵のまちの和菓子店、大関の風格ある看板、路傍のあじさい……。

 

f:id:moving-too-much:20090826044604j:plain

f:id:moving-too-much:20090826044904j:plain

 

f:id:moving-too-much:20090826044741j:plain

f:id:moving-too-much:20090826045338j:plain

f:id:moving-too-much:20090826050021j:plain

 

大関の工場の屋上にも赤い鳥居が見えた。

 

f:id:moving-too-much:20090826045601j:plain

 

疲れてきたので今津に戻らず、そのまま北にのぼって久寿川駅へ。

阪神電車は駅の数が多く、それぞれが個性的で面白い。この駅は児童公園に面した可愛い駅で、使ったのはたぶん初めて。ホームの窓から公園の緑がこんなに近く見えるなんて、なかなか素敵じゃないですか。

f:id:moving-too-much:20090826050859j:plain

f:id:moving-too-much:20090826050926j:plain

 

車体を斜めにしながら、普通電車がホームに入ってきた(阪神電車はだいたいいつも斜めになっている)。青い大きな水玉模様が特徴的なジェット・シルバー5700。つい最近導入された新しい車両かと思っていたら、デビューは2015年らしいですね(などと書いておいて写真はない)。

 ……って、もしいい加減なこと書いてたら鉄ちゃん各位には申し訳ありません。。

 

(つづく) 

 

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)